日本版画会



 「宮澤賢治」や「民俗芸能」には、和太鼓の響きのような胸の奥をゆさぶる・民笛の音色のように心を和ませてくれる何かがあります。これらは自然と人間の一体感の中から生まれた感謝の気持、喜びや安らぎではないかと思っています。私は、これらの魅力・感動を何かの形で自分の中に残せないか・・・という気持ちを原点に木版画を制作してきました。ほんの少しでも伝わった方が居りましたら嬉しい限りです。
 
伊藤卓美 画歴
1946年 宮城県登米郡登米町に生まれる
1967年 初個展(荻窪ポルテ二ヤ)
1968年 法政大学経済学部を卒業。
1979年 小田急百貨店美術サロンで個展
      (以後隔年,新作展を開催)。
       限定版画本(私刊)「鹿踊りのはじまり」出版。
      (以後「尽し尽し」 「私のきっからぼっこ」
      「賢治絵葉書帳」 「どんぐりと山猫」出版)。
1980年 「日本版画会」会員推挙。
1983年 米国セ−ラム市ピ−ボディ博物館に23点収蔵。
1985年 木版摺「郷土玩具いろは歌留多」制作。
      (以後「花の歌留多」「宮澤賢治歌留多」)
1986年 丸善日本橋店「現代秀作木版画展」
      (以後毎年)。
1988年 日本版画会展〈文部大臣奨励賞>受賞。
2000年 ふるさと切手「秩父の夜祭」の原画を制作。
       『もらってうれしい 木版画の年賀状』
                (日貿出版社)出版。
2002年 『宮澤賢治の山猫と遊ぶ 楽しい木版画教室』
                (日貿出版社)出版。
現在   日本版画会 会長
       NHK文化センター光が丘教室 講師
      早稲田大学エクステンションセンター 講師


■作品群 1  宮澤賢治の世界

「私たちは氷砂糖をほしいくらい持たないでも、きれいにすきとほった風をたべ、もも色のうつくしい朝の日光をのむことが出来ます」と、賢治は自作の童話がすきとほった本当のたべものになる事を願っていました。私の作品もそんなたべもののほんの1かけらにでもならないかと願って制作しています。

 *「注文の多い料理店より」
   画寸「170X135」 額付 18、000円
   他、「銀河鉄道の夜より」・「風の又三郎」・「原体剣舞連」等
■作品群 2  民俗芸能の世界

豊作の祝いのお祭りからは喜び・感動が、お盆の行事では祖先への供養の気持ちから、多くのすばらしい郷土芸能が生まれ、伝わって来ています。はやり(流行)ものでないこれらの普遍的な「文化」を私なりの目で伝えたい・・・という『ライフワーク』になっています。

*「ミスさんさ」
   画寸「280×220」 額付 35,000円
   他、「西馬音内盆踊り」・「天女の舞」・「権現様集合の図」等
■作品群 3  風景

旅をした時の日記がわりの写生から、旅の思い出の作品群が生まれました。

*「月山」
   画寸「150X210」 額付 25,000円
   他、「五箇山春盛」・「天台寺山門にて」・「洋々北上川」等
■作品群 4  花

野の花が好きで小品を気が向くままに作っていたら『かるた』になるほど貯まっていました。

*「山杜鵑(やまほととぎす)」
   画寸「180X135」 額付 18,000円
   他、「曼珠沙華」・「どくだみ」・
     「月桃の花」「おおいぬのふぐり」等
■作品群 5  神佛

道端の半分風化した石仏から、人々の篤い信仰心が伝わってきました。やはり、有名な仏師のではない、素朴なのが好きです。

*「護法神円空佛」
   画寸「325X170」 額付 30,000円
   他、般若心経八羅漢」・「幸の神」・「    」等
■作品群 6  鯨 

大きい(京)魚と書く鯨は最大なる哺乳類で、何か嬉しくなってしまうスケールの大きさがあります。私の鯨の版画は、私の夢の自画像です。

*「      」
   画寸「        」 額付          円
   他、「酔鯨宴の図」・「鯨子連れの図」・「鯨拍手の図」等

■引き出物に「オリジナル版画」を!

 結婚式等での「引き出物」と言うと、とかくありきたりの商品が定番で、カタログの中から自由に選べるという“おもいで”として残らないただただ便利な物となって来ています。せっかくなら、一寸洒落たアイデアでの『オリジナル版画』はいかがでしょうか。
○「作品」としてのオリジナル版画製品(限定枚数作品)
○裏に二人の名前を大きく入れるような野暮なことはせず、「題名の中にそれとなく入れる」とか「絵の下に入る作品製作月日を二人の記念日にする」とかの工夫を凝らす。


*「伊藤卓美作木版画」(多色摺り)

 ・額寸……八切判(24.3×30.3cm) 画寸……(○○cm×○○cm)
 ・画題……花・めでたい図柄・ほか (相談)
 ・納期……約一ヶ月〜
 ・価格……額付(桜三角) 『引き出物』の相場を考えての相談
 ・枚数……50枚以上(原則として)


■出版物
*私刊本(木版画による限定本)
      
○『鹿踊りのはじまり』昭54  限定88部         在庫 無
賢治童話の『鹿踊のはじまり』に触発され、民俗学的私点からの絵巻物風作品。

○『尽尽』昭55  限定88部                在庫 無
「何々尽くし」という形で色々な物を集めてみた。詩風に入れた文章が、今となっては少しはずかしい。

○『私のきっからぼっこ』昭60  限定120部      在庫 有
学生時代から旅行先で求め集めた「こけし」を基に、系統別に並べて見た。
用紙をけちったための「シミ」が気になってしかたない。

○『賢治絵葉書帳』昭     限定100部        在庫 無
花巻に賢治の記念館を作るという話で皆で寄付活動をした。
貧しき版画家は《絵葉書》を作って、その売り上げを寄付しようと考えた。

○『どんぐりと山猫』平9  限定101部          在庫 有 (¥50,000)
かるた用に娘【小1】阿弥に「どんぐりと山猫」の絵を描かせたら、夢のあるいい絵だったので絵本にまとめた。
子供の感性には脱帽で、私は彫り師・摺り師に専念した。多くの人に見てもらいたく、今、出版してくれる会社を探している。

*木版画の作り方指導本

○『もらってうれしい 木版画の年賀状』平12  日貿出版社(株)刊 (¥1,200)
やさしい木版画の制作指導書。12年使えるようにと、十二支を全部入れた。
「裏ワザ」など入れ、他では書かれていない内容も多い。

○『宮澤賢治の山猫と遊ぶ 楽しい木版画教室』平14  日貿出版社(株)刊
年賀状等の木版画作品を、もっといろいろなものに応用して用途を広めようと、
栞・絵葉書・カレンダー・書票・名刺・カード・ぽち袋等等の応用の指導書になっているが、
実は私の賢治関連作品の「作品集」のようにもなっている。
好評で2年で在庫が無くなったのだが、会社の経営事情により追加印刷は「無」との事である。
私の手元に少々の在庫があるので、ご希望の方はお問い合わせ下さい。


かるた等の「手摺り限定製品」と「印刷製品」
◆郷土玩具

○『郷土玩具いろは書票歌留多』
平元 限定30部(桐箱入)       在庫  無
各県から一つずつ郷土玩具を選び、書票を入れ、いろは歌留多に仕上げた。
「武井武雄」に触発され、自分の歌留多でわが子と遊びたい・・・という願望から、彫り・摺り・かるた仕上げ等、手造りで仕上げた製品。

○『郷土玩具いろは歌留多』
平10〜  限定200部(桐箱入)  在庫 有 \58,000
上記のものから書票の文字を抜いたもの。手造り。

○印刷『郷土玩具いろは歌留多』
奥野かるた店発売     \6,000
百人一首の寸法に縮小印刷したもの。

◆花

○『花の書票いろは歌留多』
平5  限定70部(桐箱入)在庫 有  \58,000
子供達に花の名前くらい知っておいて欲しい・・・という願望から、花を見ては「ほら○○の花 ! 」と教えて見たが全然反応が無い。そこで歌留多となった。手造り。

○印刷『花のいろは歌留多』
奥野かるた店発売      \6,000

◆宮澤賢治

○『宮澤賢治書票歌留多』
平7  限定100部(桐箱入)    在庫 無   \58,000
宮澤賢治生誕百年を記念して、私的に制作。詩・童話・歌・等の中より50点を選び、代表的な場面の文面を使った。書票入りで、私にとってのゆかりの方々の書票も入れた。手造り。

○『宮澤賢治歌留多』
平12  限定200部(桐箱入)   在庫 有  \58,000 書票を抜いたので、コンパクトに収まっている。手造り。

○印刷『宮澤賢治歌留多』
奥野かるた店発売     \6,000
百人一首の製法で作られた縮小版。台紙を包んだ形なので価格も高くなってしまい、もったいなくて使えないと言う人もいる。

○印刷『普及版 宮澤賢治歌留多』
奥野かるた店発売      \3,000
実際に子供達に遊んでもらいたく、安価な物を作ってもらった。

◆花札

○『花かるた 書票入り』
平15    限定 30部     在庫  有 \48,000
花札と云うと、賭け事のイメージが強いが、今、一番愛用されているところは老人ホームとの事。お年寄り用に大きい札を・・・という話を聞いての制作となった。手造り。

○印刷『花かるた 敷島 』
奥野かるた店      \
せっかく大きく作ったのに、印刷で縮小されてしまった。それでも、他よりは大きいので安心した。
◆双六

○印刷『日本一周山と花の旅双六』
奥野かるた店発売              \2,000
子供の頃よく遊んだ「双六」を自分の子供の為に・・・・と考えると、ついつい教育的になってしまう。東京から北回りで県を周る。我ながら良いアイディアだと作りながら「今の子は旅をしないナー・・・」と思う。
◆切手

■ふるさと切手『秩父の夜祭』
平12              80円切手2種
郷土芸能の作品が多かったので、「祭り」の制作依頼が来た。今度の祭りの前に発売なので、実際の「山車」も見ないでの制作となった。日本各地の祭りの「山車」を観てきた実績がこんな所で役に立つとは。
現在進行中の企画

○『宮澤賢治書票歌かるた』
 宮澤清六氏の生誕百年を記念して新しいかるたを企画。2005年の正月に間に合うように制作していたのですが、・・・・・・。一応、札は完成。あとは「かるた」に仕上げるべく糊貼り作業。あ!桐箱の手配をしなければ。
(4月にとりあえず手摺版が2セット完成!)
 限定30部 ¥58000予定

○印刷『宮澤賢治歌かるた』
奥野かるた店発売予定――――
という訳で、印刷も正月に間に合わず、9月に完成予定です。

■私刊本(木版画による限定本)
『北国の歳時記』――俗行事及び郷土芸能――
民俗行事・風俗等に関する書票を貼り付け、簡単な解説文章を入れた本を企画中。
(但し、この企画は発想以来20数年、現在28作品中未だ8作品が未完成。・・・・・(未)ちゃぐちゃぐ馬こ・福井の七夕・鬼剣舞・原体剣舞・ねぶた・なまはげ他)

◎現在この8点の書票主を募集しています。
  版種・・・・・木版多色版(4〜6版)
  画寸・・・・・原則として約10X8cm以下
  価格・・・・・100枚・・・5万円
          50枚・・・4万円
  納期・・・・・原則として2〜3ヶ月

展覧会 案内

○『版画フォーラム展』に出品予定
 *6月中旬 『東秩父和紙の里』にて
 *7月初旬 『銀座養清堂画廊』にて

○個展『第14回伊藤卓美木版画展』
 *9月14日〜20日
新宿小田急百貨店美術サロンにて昭和54年以来隔年開催の個展。今回は、「賢治歌かるた」関連作品を中心に展示する予定です。

○『三鬼画人展』
 *北上市「鬼の館」開催に参加予定。



伊藤卓美
  〒154-0014東京都世田谷区新町2-21-2
  tel&fax : 03-3706-6205
  e-mail; hangakai@ty.catv.ne.jp

  ・日本版画会
   http://home.catv.ne.jp/nn/hangakai/

  ・河野書店(ふたつの世界の書店 COBA)ギャラリー
   http://konoshoten.vivian.jp/coba/gallery/