▽ 補注:東漢/地名

幽州  幷州  冀州   兗州  豫州  司隷部  涼州
青州  徐州  揚州  荊州   益州  交趾部

 
■ はじめに ■

 東漢初期は戦乱による人口流動と匈奴の復興などによって10郡国、400余県が併省され、その傾向は特に北辺と斉魯地方で顕著だったが、政情の安定と伴に県の再興と郡国の分割が進み、順帝の世には105郡国、1180県道を数えた。 『後漢書』郡国志の基準となった順帝の永和五年(140)の後も、桓帝と霊帝が各1郡を増し、漢末には群雄主導の郡県割増によって30余郡が新設された。
 登記戸口についても西漢の盛時に1223万戸、5959万口を数えたものが光武帝の中元2年(57年)には427万戸、2101万人に過ぎなくなっていたが、順帝の永和五年(140)には1078万戸、5387万人にまで回復し、桓帝の永寿2年(156年)の戸数は1607万戸を数えた(但し、人口は5007万人)。

 漢末、魏公国創建の準備の一環として九州制に回帰し、司隷部の一部と幽州・幷州が冀州に併合され、司隷部の大部分と涼州が雍州に統合されたが、漢魏禅譲によって関東部分は旧制に回帰し、関右部は雍州・秦州・涼州に三分された。

 
 

幽州

 11郡国、90県侯。州治は薊。

■ 広陽郡


 旧燕国。光武帝が廃し、和帝の章和八年(96)に復置。  4県 → 5県、44.5千戸、280.6
 治所は(北京市大興)。  ・広陽(北京市房山) ・軍都(旧属上谷/北京市昌平) ・安次(旧属渤海/廊坊市区)

■ 玄菟郡


 遼東郡内(瀋陽)に遷移。  3県 → 6県、10.6千戸、43.2千人
 治所は高句驪(吉林省集安→遼寧省新賓)。
 ・上殷台(吉林市永吉方面) ・西蓋馬(吉林市永吉方面) ・候城(旧属遼東/瀋陽市区)
 ・遼陽(旧属遼東/遼陽市遼陽) ・高顕(旧属遼東/?)

■ 楽浪郡


 漢末に南部を帯方郡として分離。  25県 → 18県、61.5千戸、257.0千人
 治所は朝鮮(平壌)。
 ・長岑(遼寧省瀋陽市内?) ・鏤方(遼寧省遼陽市区) ・帯方・占蝉・遂城・増地・屯有・昭明(平壌方面)
 ・浿水(義州) ・含資・列口(ソウル方面) ・駟望 ・海冥 ・䛁邯 ・提奚 ・渾彌 ・楽都

■ 遼東郡


 西部都尉部を遼東属国として分離。  18県 → 11県?、64.1千戸、口数不明
 治所は襄平(遼陽市区)。
 ・新昌(遼陽市灯塔) ・望平(瀋陽市遼中) ・候城(中部都尉/瀋陽市区) ・西安平(丹東市寛甸)
 ・安市(営口市大石橋) ・平郭(営口市蓋州) ・汶(旧の文/営口市鮁魚圏区) ・沓氏(大連市金州区)
 ・番汗 ・無慮

遼東属国

 安帝のとき、遼東西部都尉を中心に遼東・遼西の交界部に新設。  6県、戸数・口数不明
治所は昌遼(旧属遼西/旧の天遼/所在不明)。
 ・賓従(旧属遼西/秦皇島市盧龍) ・徒河(旧属遼西/遼寧省錦州市区)
 ・無慮(旧の遼東西部都尉/錦州市北鎮) ・険瀆(錦州市北鎮) ・房(遼寧市内)

■ 遼西郡


 東部を遼東属国に割く。  14県 → 5県、14.1千戸、81.7千人
 治所は陽楽(秦皇島市撫寧)。
 ・臨楡(秦皇島市山海関) ・肥如(秦皇島市盧龍) ・令支(孤竹城あり/唐山市遷安) ・海陽(唐山市灤県)

■ 代郡


 北半に縮小。  18県 → 11県、20.1千戸、126.2千人
 治所は高柳(大同市陽高)。
 ・道人(陽高) ・北平邑(旧の平邑/陽高) ・班氏(大同市大同) ・平舒(大同市広霊)
 ・桑乾(旧の郡治/張家口市蔚県) ・代・当城・東安陽(蔚県) ・馬城(張家口市懐安) ・狋氏(大同市広霊)

■ 右北平郡


 灤河以西に大きく縮小。  16県 → 4県、9.2千戸、53.5千人
 治所は土垠(河北省唐山市豊潤)。  ・徐無・俊靡(唐山市遵化) ・無終(天津市薊)

■ 漁陽郡


 北辺部を放棄。  12県 → 9県、68.4千戸、435.7千人
 治所は漁陽(北京市密雲)。
 ・狐奴・安楽(北京市順義) ・潞(旧の路/北京通州区) ・平谷(北京市) ・_平(北京市密雲)
 ・傂奚(密雲東北郊) ・雍奴(廊坊市安次区) ・泉州(廊坊市安次区)

■ 上谷郡


 北西部を放棄。  15県 → 8県、10.3千戸、51.2千人
 治所は沮陽(張家口市懐来)。
 ・ィ・広ィ(張家口市宣化) ・雊瞀(張家口市蔚県) ・下落・涿鹿(張家口市涿鹿) ・潘(涿鹿西南郊)
 ・居庸(北京市延慶) ・ィ?

■ 涿郡


 南半を安平国河間国に割地。
29県 → 7県、102.2千戸、633.7千人
 治所は涿(保定市)。  ・故安(保定市易県) ・范陽(保定市定興) ・方城(旧属広陽/廊坊市固安)
 ・逎(保定市淶水 ・良郷(北京市房山) ・北新城(旧の新昌/保定市高碑店)

 

幷州

 9郡国、98県侯。州治は晋陽。
献帝の建安十八年(213)の九州改編の際に冀州に併入された。 建安二十年(215)に上郡を放棄し、雲中・定襄・五原・朔方郡を統合して呼沱流域に新興郡を新設。

■ 太原郡


  21県 → 16県、30.9千戸、200.1千人
 治所は晋陽(故の唐/太原市区)。
 ・茲氏(呂梁市汾陽) ・楡次(晋中市) ・界休(晋中市介休) ・中都(晋中市平遥) ・狼孟(太原市陽曲)
 ・鄔(晋中市介休) ・盂(太原市陽曲東北郊) ・平陶(呂梁市文水) ・京陵(晋中市平遥) ・陽曲(忻州市定襄)
 ・慮虒(忻州市五台) 大陵(呂梁市交城) ・祁(晋中市) ・陽邑(晋中市太谷) ・于離

■ 雁門郡


 北西部を定襄郡に割き、太原郡北部を併せる。  14県 → 14城県、31.9千戸、249.0千人
 治所は陰館(南界に雁門関/朔州市山陰南郊)。
 ・武州(大同市左雲) ・崞(大同市渾源) ・平城(大同市区) ・彊陰(大同西北塞) ・馬邑・楼煩(朔州市朔城区)
 ・汪陶(朔州市山陰) ・劇陽(朔州市応県) ・埒(山陰南郊?) ・繁畤(忻州市)
 ・広武(旧属太原/北界に雁門関/忻州市代県) ・鹵城(旧属代郡/忻州市繁峙東郊) ・原平(旧属太原/忻州市

■ 西河郡


 河西部を朔方郡に割く。順帝の永和五年(140)に離石に遷徙。
  36県 → 13県、5.7千戸、20.8千人
 治所は平定(オルドス市東勝区)、後に離石(山西省呂梁市区)。
 ・美稷(属国都尉/ジュンガル旗) ・圜陽・圜陰(陝西省楡林市神木) ・皋狼(山西省呂梁市臨県南郊)
 ・中陽(呂梁市) ・藺(呂梁市柳林) ・平周(晋中市介休) ・楽街 ・平陸 ・益蘭 ・広衍

■ 上党郡


  14県 → 13県、26.2千戸、127.4千人
 治所は長子(長治市)。
 ・壺関(羊腸坂あり/長治市) ・涅(閼与あり/長治市武郷) ・襄垣(長治市) ・屯留・潞氏(長治市)
 ・銅鞮(長治市沁県南郊) ・穀遠(長治市沁源) ・沾(晋中市昔陽) ・陭氏(晋城市沁水東北郊)
 ・泫(長平亭あり/晋城市高平) ・高都(晋城市沢州) ・陽阿(晋城市区)

■ 雲中郡


 定襄郡北部を併せ、漢末に放棄。  11県 → 11県、5.3千戸、26.4千人
 治所は雲中(フフホト市区)。
 ・北輿(フフホト市区) ・武泉(フフホト市武川東南郊) ・沙陵(フフホト市トグト?) ・原陽(フフホト境内)
 ・咸陽(包頭市トゥメット右旗) ・沙南(オルドス市ジュンガル旗北郊) ・箕陵
 ・成楽・武進・定襄(旧属定襄/フフホト市ホリンゴル)

■ 五原郡


 漢末に新興郡に統合。  16県 → 10県、4.7千戸、22.9千人
 治所は九原(バヤンノール市五原、後に包頭市区)。
 ・五原(五原) ・曼柏(バヤンノール市ハンギン後旗?) ・成宜(バヤンノール市ウラド後旗) ・宜梁(ウラド前旗)
 ・西安陽(五原北郊) ・文国・武都(バヤンノール市東部?) ・臨沃(包頭市固陽?) ・河陰

■ 定襄郡


 北部を雲中郡に割き、漢末に放棄。  12県 → 5城県、3.1千戸、13.6千人
 治所は善無(旧属雁門/山西省朔州市右玉)。
 ・武城・駱(内蒙古自治区フフホト市清水河) ・桐過(清水河西部) ・中陵(旧属雁門/山西省朔州市平魯区)

■ 朔方郡


 順帝の永和五年(140)に五原に僑置し、漢末に放棄。  10県 → 6県、2.0千戸、7.8千人
 治所は臨戎(バヤンノール市磴口)。
 ・沃野(磴口) ・三封(磴口西部) ・朔方(オルドス市ハンギン旗東北界)
 ・広牧(東部都尉/バヤンノール市ハンギン後旗) ・大成(旧属西河/オルドス市ジュンガル旗?)

■ 上郡

上郡を
 順帝の永和五年(140)に左馮翊の夏陽(陝西韓城西南)に僑置し、漢末に放棄。
  23県 → 10県、5.7千戸、28.6千人
 治所は膚施(陝西省延安市区)。
 ・白土(内蒙古自治区オルドス市東勝区) ・高奴(陝西省延安市区) ・定陽(延安市宜川) ・雕陰(延安市富県)
 ・奢延(楡林市横山) ・髣ム(楡林市神木) ・亀茲(属国都尉/楡林市区) ・漆垣 ・候官

 

冀州

 9郡国、100県侯。州治は高邑。

■ 常山郡


  18県 → 13県、97.5千戸、631.2千人
 治所は元氏(石家荘市)。
 ・高邑(西漢の鄗/邢台市柏郷) ・房子(石家荘市高邑) ・南行唐(都尉/石家荘市行唐)
 ・霊寿・欒城・井陘(石家荘市) ・平棘(石家荘市趙県) ・九門(石家荘市藁城) ・蒲吾(石家荘市平山) ・都郷
 ・真定(旧属真定/石家荘市正定) ・上艾(旧属太原/陽泉市平定)

■ 渤海郡


 旧属幽州。和帝が南部を河間国に移管。  26県 → 8県、132.4千戸、1,106.5千人
 治所は南皮(河北省滄州市)。
 ・高成(都尉/滄州市塩山) ・浮陽(滄州市区) ・東光(滄州市) ・章武(滄州市青県東郊)
 ・重合(山東省徳州市楽陵) ・陽信(延光元年(122)に復置/浜州市無棣) ・脩(旧属信都/衡水市景県)

■ 中山国


 桓帝の延熹元年(158)に博陵郡を分置。  14県 → 13県、97.4千戸、658.2千人
 治所は盧奴(保定市定州)。
 ・博陵(陸成を桓帝が更名/保定市蠡県)) ・蒲陰(曲逆を章帝が更名/保定市順平
 ・安憙(安険を章帝が更名/保定市定州 ・漢昌(苦陘を章帝が更名/石家荘市無極) ・毋極(石家荘市無極)
 ・新市(鮮虞亭あり/石家荘市正定北郊) ・北平(保定市満城) ・望都(保定市) ・唐(保定市) ・安国(保定市)
 ・蠡吾(旧属涿/保定市蠡県) ・上曲陽(旧属常山/保定市曲陽) ・広昌(旧属代郡/保定市淶源)

■ 安平


 西漢の信都。明帝が楽成と更名したのち安帝の延光元年(122)に更名。  17県 → 13県、91.4千戸、655.1千人
 治所は信都(衡水市冀州)。
 ・阜城(旧の昌成/衡水市冀州西郊) ・扶柳(衡水市冀州南郊) ・南宮(衡水市) ・観津・武邑(衡水市武邑)
 ・下博(衡水市深州) ・広川(衡水市棗強) ・経西
 ・武隧(旧属河間/衡水市武強) ・饒陽・安平(旧属涿/衡水市) ・南深沢(旧属涿/石家荘市深沢)

■ 河間国


 光武帝が廃し、和帝の永元二年(90)に涿渤海郡の南部を以て復置。  4県 → 11県、93.7千戸、634.4千人
 治所は楽成(滄州市献県)。
 ・弓高(衡水市武邑東郊) ・易(旧属涿/保定市雄県) ・武垣(旧属涿/滄州市粛寧) ・中水(旧属涿/滄州市献県)
 ・鄚(旧属涿/滄州市任丘) ・高陽(旧属涿/保定市高陽) ・文安(旧属渤海/廊坊市)
 ・東平舒(旧属渤海/廊坊市大城) ・束州(旧属渤海/滄州市河間東北郊) ・成平(旧属渤海/滄州市泊頭)

■ 鉅鹿郡


 建武十三年(37)に広平国を併合。  20県 → 15県、109.5千戸、602.1千人
 治所は廮陶(邢台市寧晋)。
 ・鉅鹿(邢台市平郷) ・広宗(邢台市) ・南䜌(邢台市巨鹿) ・楊氏(邢台市寧晋) ・鄡(石家荘市辛集
 ・下曲陽(石家荘市晋州) ・広平(旧属広平/邯鄲市) ・曲周(旧属広平/邯鄲市) ・列人(旧属広平/邯鄲市肥郷)
 ・平郷(旧属広平/邢台市) ・南和(旧属広平/邢台市) ・任(旧属広平/邢台市) ・広年(旧属広平/邢台市沙河)

■ 甘陵


 清河国を桓帝の建和二年(148)に更名。  14県 → 7県、124.0千戸、760.4千人
 治所は甘陵(旧の厝を安帝が更名/聊城市臨清)。
 ・貝丘(都尉/聊城市高唐) ・東武城(山東省徳州市武城) ・鄃(徳州市平原西郊) ・霊(聊城市高唐
 ・繹幕(山東省徳州市平原) ・広川(旧属安平/衡水市棗強)

■ 趙国


 漢末に廃国し、主要部を魏郡に併合。魏の趙国は常山郡南部を充てる。
  4県、84.2千戸、349.9千人(A2年)/ 5県、32.7千戸、188.4千人
 治所は邯鄲(邯鄲市)。
 ・易陽(邯鄲市永年) ・襄国(旧邢国/邢台市区) ・柏人(邢台市隆堯) ・中丘(旧属常山/邢台市内丘)

■ 魏郡


 献帝の建安十七年(212)に隣接する14県[※]を増し、翌年に東西部都尉を置く。
  18県、212.8千戸、909.6千人(A2年)/ 15県、129.3千戸、695.6千人
 治所は鄴(邯鄲市臨漳)。
 ・魏(邯鄲市大名) ・元城(五鹿墟/大名) ・館陶(邯鄲市) ・武安(邯鄲市) ・平恩(邯鄲市邱県)
 ・沙(邯鄲市渉県) ・斥丘(邯鄲市成安) ・梁期(邯鄲市磁県) ・黎陽(河南省鶴壁市浚県)
 ・繁陽(河南省安陽市内黄) ・内黄(安陽市内黄) ・陰安(河南省濮陽市清豊)
 ・清淵(山東省聊城市臨清西南郊) ・曲梁(旧属広平/邯鄲市永年)

※ 河内郡の朝歌(鶴壁市淇県)・林慮(安陽市林州)・蕩陰(安陽市湯陰)、
 東郡の衛国(聊城市莘県西郊)・頓丘(濮陽市清豊)・東武陽(濮陽市南楽)・発干(聊城市区)、
 鉅鹿郡の廮陶(邢台市寧晋)・曲周(邯鄲市)・南和(邢台市)・広平(邯鄲市)、
 任城国の任城(済寧市区)、 趙郡の邯鄲(邯鄲市)・易陽(邯鄲市永年)・襄国(邢台市区)。

 

兗州

 8郡国、80県侯。州治は昌邑。

■ 山陽郡


 西部を済陰郡に移管。  23県 → 10県、109.9千戸、606.1千人
 治所は昌邑(済寧市金郷)。
 ・瑕丘(済寧市兗州) ・金郷・東緡(済寧市金郷) ・高平(旧の橐を章帝が更名/済寧市鄒城)
 ・南平陽(済寧市鄒城) ・方与(済寧市魚台) ・鉅野(大野沢あり/渮沢市巨野) ・防東(渮沢市単県)
 ・湖陸(旧の湖陵を章帝が更名/江蘇省徐州市沛県北郊/県西の費亭城は曹操の初封地)

■ 陳留郡


  17県 → 17県、177.5千戸、869.4千人
 治所は陳留(開封市開封)。
 ・雍丘(開封市杞県) ・浚儀(故の大梁/開封市区) ・尉氏(開封市) ・東昏(開封市蘭考) ・済陽(蘭考北郊)
 ・小黄(開封東北郊) ・外黄(葵丘あり/商丘市民権) ・己吾(商丘市寧陵西南郊) ・襄邑(商丘市睢県)
 ・酸棗(新郷市延津) ・平丘(黄池亭あり/新郷市封丘) ・封丘(新郷市) ・長垣(新郷市)
 ・考城(旧属梁国/甾を章帝が更名/河南省開封市蘭考) ・圉(旧属淮陽/開封市杞県) ・扶溝(周口市扶溝北郊)

■ 東郡


  22県 → 15県、136.1千戸、603.4千人
 治所は濮陽(衛の帝丘/河南省濮陽市濮陽)。
 ・頓丘(濮陽市清豊) ・東武陽(濮陽市南楽) ・范(濮陽市) ・白馬(後世の滑台/安陽市滑県)
 ・南燕(新郷市封丘北郊) ・東阿・穀城(山東省聊城市陽穀) ・臨邑(聊城市東阿) ・博平(聊城市茌平)
 ・聊城・発干(聊城市区) ・陽平(聊城市莘県) ・衛(旧の観/莘県西郊) ・楽平(清を章帝が更名/聊城市区西郊

■ 東平国


 章帝が南半を以て任城国を分置。  7県 → 7県、79.0千戸、448.3千人
 治所は無塩(泰安市東平)。
 ・東平陸(済寧市汶上) ・富城(山東省泰安市東平) ・章(泰安市肥城南郊)
 ・寿張(旧属東郡/旧の寿良/泰安市東平) ・須昌(旧属東郡/泰安市東平) ・寧陽(旧属泰山/泰安市)

■ 任城国


 章帝の元和元年(84)に東平国から分離。  3県、36.4千戸、194.1千人
 ・任城(桃聚あり/済寧市区) ・亢父(済寧市任城区南郊) ・樊(任城区東南郊)

■ 泰山郡


 和帝が南西部を以て済北国を分離。  24県 → 12県、80.9千戸、437.3千人
 治所は奉高(明堂あり/泰安市区)。
 ・博・梁甫・鉅平(泰安市区) ・莱蕪・嬴(莱蕪市莱城) ・牟(莱蕪市鋼城北郊) ・南武陽(臨沂市費県)
 ・蓋(臨沂市沂水) ・茌(済南市長清) ・費(旧属東海/臨沂市) ・南成(旧属東海/費県西南郊)

■ 済北国


 西漢の済北の地。和帝の永元二年(90)に泰山郡より分離。  5県、45.7千戸、235.9千人
 治所は盧(済南市長清区)。
 ・虵阜(泰安市肥城) ・剛(泰安市寧陽) ・茌平(旧属東郡/聊城市) ・成

■ 済陰郡


  9県 → 11県、133.7千戸、657.5千人
 治所は定陶(故の曹国/渮沢市)。
 ・鄄城(渮沢市鄄城) ・冤句(荷沢市曹県西郊) ・乗氏(渮沢市巨野) ・句陽(荷沢市区)
 ・成陽(雷沢あり/河南省濮陽市范県西郊) ・離狐(旧属東郡/渮沢市東明) ・廩丘(旧属東郡/渮沢市鄆城)
 ・已氏(旧属梁/渮沢市曹県) ・成武(旧属山陽/衛の楚丘/渮沢市) ・単父(旧属山陽/渮沢市単県)

 

豫州

 6郡国、99県侯。州治は譙。

■ 沛国


 漢末に西部を以て譙郡を分離し、三国で南部を汝陰郡に割地。  37県 → 21県、200.5千戸、251.4千人
 治所は相(安徽省宿州市区)。
 ・公丘(山東省棗荘市滕州) ・(亳州市区) ・符離(宿州市区) ・蕭(宿州市) ・洨(垓下あり/宿州市霊壁)
 ・穀陽(宿州市霊壁) ・蘄(大沢郷あり/宿州市区) ・杼秋(旧属梁/宿州市蕭県西郊) ・銍(淮北市濉渓)
 ・竹邑(淮北市烈山区) ・龍亢(蚌埠市懐遠) ・向(蚌埠市懐遠) ・虹(蚌埠市五河)・太丘
 ・沛・豊(江蘇省徐州市) ・建平(河南省商丘市永城) ・臨睢(旧の芒/永城) ・酇(永城西郊) ・鄲(周口市鹿邑) 

譙郡
  漢末に沛郡西部・汝南郡の一部より分置。
 ・譙(亳州市区)
 ・蘄(宿州市区) ・銍(淮北市濉渓) ・龍亢(蚌埠市懐遠) ・城父(旧属汝南/亳州市区)
 ・山桑(旧属汝南/亳州市蒙城)
 ※汝陰郡の成立後、汝南郡宋県(安徽省阜陽市太和)と陳郡苦県(河南省周口市鹿邑)が移管。
  沛は沛県ら3県に彭城の豊・広戚(徐州市沛県)を加えて沛王国(5県)に。
汝陰郡
  魏の景初二年(238)に濉渦の間(沛国南部と譙国東部)より分置。
 ・汝陰(旧属汝南/安徽省阜陽市区)
 ・符離(宿州市区) ・蕭(宿州市) ・竹邑(淮北市烈山区) ・虹(蚌埠市五河)
 ・洨(旧属譙/宿州市霊壁) ・蘄(旧属譙/宿州市区) ・銍(旧属譙/淮北市濉渓)
 ・龍亢(旧属譙/蚌埠市懐遠) ・山桑(旧属譙/亳州市蒙城)

■ 魯国


  6県 → 6県、78.4千戸、411.6千人
 治所は魯(済寧市曲阜)。
 ・騶(旧の邾国/済寧市鄒城) ・卞(済寧市泗水東郊) ・汶陽(泰安市寧陽) ・薛(棗荘市滕州) ・蕃(棗荘市滕州)

■ 梁国


  8県 → 9県、83.3千戸、431.3千人
 治所は下邑(安徽省宿州市碭山)。
 ・碭(宿州市碭山) ・睢陽・蒙(河南省商丘市区) ・虞(商丘市虞城) ・穀熟
 ・寧陵(旧属陳留/商丘市) ・鄢(旧属陳留/許昌市鄢陵) ・薄(旧属山陽/渮沢市曹県)

■ 陳国


 旧属兗州。章帝の章和二年(88)に淮陽郡を更名。  9県 → 9県、112.6千戸、1,547.6千人
 治所は陳(周口市淮陽)。
 ・陽夏(周口市太康) ・寧平(周口市鹿邑) ・新平(周口市淮陽) ・柘(商丘市) ・扶楽 ・武平
 ・長平(旧属汝南/周口市西華)

■ 潁川郡


 王莽の左隊。  20県 → 17県、263.4千戸、1,436.5千人
 治所は陽翟(韓の新都/許昌市禹州)。
 ・陽城(負黍聚あり/鄭州市登封) ・綸氏(鄭州市登封南郊) ・鄢陵(許昌市) ・長社(許昌市長葛)
 ・許(魏の許昌/許昌市区) ・潁陰(許昌市区) ・潁陽・襄城(許昌市襄城) ・新汲(周口市扶溝)
 ・父城(平頂山市宝豊) ・昆陽(平頂山市葉県) ・郟(平頂山市)
 ・臨潁(漯河市) ・舞陽・定陵(漯河市舞陽) ・郾(漯河市区) ・襄

■ 汝南郡


  37県 → 37県、404.4千戸、2,100.8千人
 治所は平輿(駐馬店市汝南)。
 ・召陵(漯河市区) ・㶏彊(漯河市臨潁) ・汝陽(周口市商水) ・南頓(周口市淮陽) ・項(周口市項城)
 ・西華(周口市) ・宜禄(周口市沈丘)  ・安城(曹魏の治所/駐馬店市平輿) ・上蔡(故の蔡の初封/駐馬店市)
 ・新蔡(故の蔡の次封/駐馬店市) ・鮦陽(新蔡東北郊) ・西平(駐馬店市) ・宜春・陽安・朗陵(駐馬店市確山)
 ・呉房(棠谿あり/駐馬店市遂平) ・灈陽(遂平) ・安陽(駐馬店市正陽) ・慎陽(正陽北郊) ・弋陽(信陽市潢川)
 ・新息(信陽市息県) ・期思(信陽市淮浜南郊)
 ・汝陰(都尉/安徽省阜陽市区) ・新陽(阜陽市界首) ・宋公国(旧の新郪に建初四年に徙封/阜陽市太和)
 ・細陽・征羌(阜陽市太和) ・慎(阜陽市潁上) ・富波(阜陽市区) ・思善 ・襃信 ・原鹿 ・定潁
 ・固始(旧属淮陽/周口市淮陽)
 ・山桑(旧属沛/垂恵聚あり/亳州市蒙城/漢末に譙に移管) ・城父(旧属沛/亳州市区/漢末に譙に移管)

司隷部

 7郡、106県侯。治所は雒陽。漢末に関西を雍州として分離。

■ 河南尹


  22県 → 21県、208.5千戸、1,010.8千人
 治所は雒陽(周の成周城/洛陽市偃師)。
 ・河南(周の王城/洛陽市区) ・新成(洛陽市区) ・偃師(尸郷あり/洛陽市) ・緱氏(轘轅関あり/洛陽市偃師)
 ・平陰(洛陽市孟津) ・穀城(函谷新関あり/洛陽市新安) ・陽武(博狼沙あり/新郷市原陽) ・原武(新郷市原陽)
 ・巻(新郷市原陽西郊)  ・滎陽(敖倉・鴻溝あり/故の虢叔国/鄭州市) ・成皋(虎牢・水とも/鄭州市滎陽)
 ・京(滎陽) ・中牟(圃田沢あり/鄭州市) ・苑陵(鄭州市新鄭) ・鞏(鄭州市鞏義) ・密(梅山あり/鄭州市新密)
 ・開封(逢沢あり/開封市区) ・梁(陽人聚あり/平頂山市汝州)

■ 河内郡


 王莽の後隊。  18県 → 18県、159.8千戸、801.5千人
 治所は懐(焦作市武陟)。
 ・軹・沁水・波(済源市) ・河陽(焦作市孟州) ・温(焦作市) ・平皋(故の邢国/焦作市温県) ・州(温県北郊)
 ・野王(射犬聚あり/焦作市沁陽) ・山陽(蔡叔の蔡城あり/焦作市修武) ・武徳(焦作市) ・獲嘉(新郷市獲嘉)
 ・脩武(新郷市獲嘉) ・共(新郷市輝県) ・汲(新郷市衛輝)
 ・朝歌(衛の故都/鶴壁市淇県) ・林慮(旧の隆慮を殤帝が更名/安陽市林州) ・蕩陰(窑里あり/安陽市)

■ 河東郡


  24県 → 20県、93.5千戸、570.8千人
 治所は安邑(運城市夏県)。
 ・解(運城市塩湖区) ・聞喜(故の曲沃/運城市) ・汾陰(運城市万栄) ・臨汾(運城市新絳) ・蒲阪(運城市永済)
 ・皮氏(運城市河津) ・大陽(運城市平陸) ・猗氏(運城市臨猗) ・河北(運城市芮城) ・垣(運城市曲垣東南郊)
 ・平陽(臨汾市区) ・絳(故の翼城/臨汾市侯馬) ・楊(臨汾市洪洞) ・永安(彘を順帝が更名/臨汾市霍州)
 ・襄陵(臨汾市襄汾) ・北屈(臨汾市吉県) ・蒲子(臨汾市隰県) ・端氏(晋城市沁水) ・濩沢(晋城市陽城)

■ 弘農郡


 王莽の右隊。  11県 → 9県、46.8千戸、199.1千人
 治所は弘農(函谷旧関あり/三門峡市霊宝)。
 ・澠池(三門峡市) ・新安(東に澗水/三門峡市澠池南郊) ・陝(旧の虢仲国/三門峡市)
 ・盧氏(伊水の源/三門峡市) ・宜陽(洛陽市宜陽) ・陸渾(洛陽市嵩県)
 ・湖(旧属京兆/三門峡市霊宝県) ・華陰(旧属京兆/南に太華山/渭南市)

■ 京兆尹


  12県 → 10県、53.3千戸、285.6千人
 治所は長安(西安市未央区)。
 ・覇陵(旧の芷陽/文帝陵/西安市灞橋区) ・杜陵(宣帝陵/西安市雁塔区) ・新豊(南に驪山/西安市臨潼区)
 ・鄭(鄭の旧都/渭南市華県) ・藍田(西安市) ・長陵(旧属馮翊//高帝陵/咸陽市区)
 ・陽陵(旧属馮翊/景帝陵/咸陽市陽) ・商(旧属弘農/陝西省商洛市区) ・上洛(旧属弘農/商洛市洛南)

■ 左馮翊


  24県 → 13県、37.1千戸、145.2千人
 治所は高陵(西安市)。
 ・万年(西安市閻良区) ・雲陽(咸陽市陽) ・池陽(咸陽市陽) ・頻陽(渭南市富平) ・蓮勺(渭南市区北界)
 ・重泉(渭南市蒲城南界) ・臨晋(旧の芮・大荔/渭南市大荔) ・郃陽(渭南市合陽
 ・夏陽(渭南市韓城) ・衙(渭南市白水) ・祋祤(銅川市燿州) ・粟邑(銅川市宜君東郊

■ 右扶風


  21県 → 15県、17.3千戸、93.1千人
 治所は。槐里(秦の廃丘/咸陽市興平)
 ・茂陵(武帝陵/咸陽市興平) ・安陵(咸陽市興平) ・平陵(昭帝陵/咸陽市秦都区) ・漆(咸陽市彬県)
 ・武功(終南山・斜谷あり/咸陽市武功) ・鄠(西安市千戸)  ・美陽(岐山あり/宝鶏市扶風) ・郿(宝鶏市眉県)
 ・栒邑(豳/咸陽市)
 ・陳倉・虢(宝鶏市陳倉区) ・雍(宝鶏市鳳翔) ・隃麋(宝鶏市千陽) ・杜陽(宝鶏市麟遊) ・汧(宝鶏市隴県)

漢安郡
 霊帝の中平六年(189)に扶風都尉部を改編。献帝が漢興郡と改名。
 ・陳倉 ・雍 ・隃麋 ・杜陽 ・汧
 

涼州

 12郡国、98県侯。州治は隴。
 漢末に関右と併せて雍州と更名し、曹魏で東部の雍州・隴右の秦州・河西の涼州に三分。

■ 漢陽郡


 明帝の永平十七年(74)に天水郡を更名。 霊帝が南西部を以て南安郡を分立。
  16県 → 13県、27.4千戸、130.1千人
 治所は冀(天水市甘谷)。
 ・(隴坻あり/天水市清水) ・望垣(天水市区西界) ・略陽(平涼市庄浪/南郊の街泉亭は旧県)
 ・成紀(天水市秦安) ・顕親(秦安南界?) ・阿陽(平涼市静寧) ・豲道(騎都尉/定西市隴西)
 ・平襄(旧の郡治/定西市通渭) ・勇士(属国都尉/蘭州市楡中) ・蘭干
 ・上邽(旧属隴西/天水市区) ・西(旧属隴西/定西市岷県東郊)

■ 安定郡


 漢末に南東の右扶風との交界に新平郡を分立。  21県 → 8県、6.1千戸、29.1千人
 治所は臨(甘粛省慶陽市鎮原)。
 ・彭陽(慶陽市鎮原) ・朝那・烏氏(平涼市区) ・鶉孤(平涼市霊台) ・陰槃(陝西省咸陽市長武西郊)
 ・高平(旧の郡治/第一城あり/寧夏自治区固原市区) ・三水(属国都尉/固原市区)

■ 北地郡


 幷州から移管。  19県 → 6県、3.1千戸、18.6千人
 治所は富平(北部都尉/寧夏自治区呉忠市区)。
 ・霊州(銀川市霊武) ・廉(銀川市?) ・泥陽・方渠(甘粛省慶陽市寧県) ・参䜌(旧属安定/慶陽市区)

■ 隴西郡


  11県 → 11県、5.6千戸、29.6千人
 治所は狄道(定西市臨洮)。
 ・臨洮(南部都尉/定西市岷県) ・安故(定西市臨洮) ・襄武(定西市隴西) ・首陽(定西市渭源)
 ・氐道(天水市清水) ・大夏(臨夏市和政) ・鄣 ・枹罕(臨夏市)
 ・白石(旧属金城/臨夏市臨夏) ・河関(旧属金城/青海省黄南自治州同仁)

■ 武都郡


  9県 → 7県、20.1千戸、81.7千人
 治所は下辨道(隴南市成県)。
 ・武都道(旧郡治/隴南市武都区) ・河池(仇池/隴南市徽県) ・上禄(隴南市成県西南) ・故道(宝鶏市鳳県)
 ・且(漢中市略陽) ・羌道(旧属隴西/蘭州市西固区)

■ 金城郡


  13県 → 10県、3.8千戸、18.9千人
 治所は允吾(蘭州市永靖)。
 ・金城(蘭州市区) ・允街(蘭州市永登南界) ・告亹(蘭州市永登西郊) ・枝陽(蘭州市永登南郊)
 ・令居(蘭州市永登) ・楡中(蘭州市) ・安夷(青海省西寧市区) ・臨羌(西寧市湟源) ・破羌(海西地区楽都)

■ 武威郡


  10県 → 14県、10.0千戸、34.2千人
 治所は姑臧(武威市区)。
 ・張掖・休屠・鸞鳥(武威市区) ・揟次・撲寰・蒼松(武威市古浪) ・武威・宣威(武威市民勤)
 ・媼囲(白銀市景泰?) ・祖氏i旧属安定/白銀市区) ・鸇陰(旧属安定/旧の鶉陰/白銀市靖遠) ・左騎・千人官

■ 張掖郡


 漢末に北東部の日勒等を西郡、居延を西海郡として分置。  10県 → 9県、12.7千戸、47.7千人
 治所は觻得(張掖市区)。
 ・刪丹・屋蘭・日勒(張掖市山丹) ・氐池(張掖市民楽) ・驪靬・番和(金昌市永昌) ・昭武(張掖市臨沢)

張掖属国

 安帝の時、属国都尉を改編。  5屯、4.7千戸、17.0千人
 候官・左騎・千人・司馬官・千人官
張掖居延属国

 安帝の時、居延都尉を改編。  1屯、1.6千戸、4.7千人
 ・居延(内蒙古自治区エジン旗)

■ 酒泉郡


  9県 → 9県、12.7千戸、口数不明
 治所は禄福(酒泉市区)。
 ・表是(張掖市高台) ・楽涫(張掖市高台) ・安彌(旧の綏彌/酒泉市玉門東界) ・玉門(酒泉市玉門)
 ・乾斉(西部都尉/酒泉市玉門) ・会水(東部都尉・北部都尉/酒泉市瓜州) 沙頭 ・延寿

■ 敦煌郡


  6県 → 6県、7.5千戸、29.2千人
 治所は敦煌(酒泉市)。
 ・淵泉(酒泉市瓜州東郊) ・広至・冥安(酒泉市瓜州) ・龍勒(陽関・玉門関あり/酒泉市敦煌西界)
 ・効穀(敦煌南郊)

 

青州

 6郡国、65県侯。州治は臨淄。

■ 斉国


  12県 → 6県、64.4千戸、491.8千人
 治所は臨淄(淄博市臨淄区)。
 ・西安(淄博市長店区) ・昌国(淄博市淄川区) ・臨朐(濰坊市) ・広(濰坊市青州
 ・般陽(旧属済南/淄博市淄川区)

■ 済南郡


  14県 → 10県、78.5千戸、453.3千人
 治所は東平陵(済南市歴城区)。
 ・歴城(済南市区) ・台(歴城区北郊) ・著(済南市済陽) ・朝陽・菅(済南市章丘) ・於陵(淄博市周村区南界
 ・土鼓(淄博市淄川区) ・鄒平・梁鄒(浜州市鄒平)

■ 平原郡


 西部を削る。  19県 → 9県、155.6千戸、1,002.6千人
 治所は平原(山東省徳州市)。
 ・高唐(徳州市斉河) ・鬲(徳州市区) ・楽陵(徳州市) ・般(楽陵南界) ・濕陰(旧の漯陰/徳州市臨邑)
 ・安悳(徳州市陵県) ・厭次(旧の富平/浜州市恵民) ・祝阿(済南市長清区)

■ 楽安国


 和帝が永元七年に千乗郡を更名。  15県 → 9県、74.4千戸、424.1千人
 治所は臨済(旧の狄を安帝が更名/淄博市高青)。
 ・千乗(旧の治所/淄博市高青) ・高苑(淄博市桓台) ・楽安(浜州市博興) ・博昌(浜州市博興南界)
 ・利(旧属斉/浜州市博興) ・寿光(旧属北海/濰坊市寿光) ・益(旧属北海/濰坊市青州) ・蓼城

■ 北海国


 建武十三年(37)に甾川国膠東国高密国を併合。  26県 → 18県、158.6千戸、853.6千人
 治所は劇(旧の甾川国/濰坊市寿光)。
 ・営陵(旧の郡治/濰坊市昌楽) ・平寿(斟を併合/濰坊市区) ・淳于・安丘(濰坊市) ・都昌(濰坊市昌邑)
 ・高密(旧の高密国/濰坊市) ・夷安(旧の高密/濰坊市高密) ・昌安(旧の高密/濰坊市安丘
 ・膠東(旧の膠東国/青島市即墨) ・即墨(旧属膠東/青島市) ・壮武(旧属膠東/即墨西郊
 ・下密(旧属膠東/濰坊市昌邑) ・挺(旧属膠東/煙台市莱陽南界) ・観陽(旧属膠東/煙台市海陽)
 ・東安平(旧属甾川/淄博市淄川区) ・朱虚(旧属琅邪/濰坊市昌楽)

■ 東萊郡


  17県 → 13県、104.4千戸、484.4千人
 治所は黄(煙台市竜口)。
 ・掖(旧郡治/煙台市莱州) ・当利(煙台市莱州) ・曲成(煙台市莱州北郊) ・昌陽(煙台市莱陽)
 ・㡉(煙台市竜口西郊) ・牟平・東牟(煙台市牟平区) ・盧郷(青島市平度) ・葛盧
 ・不其(旧属琅邪/青島市即墨) ・黔陬(旧属琅邪/青島市膠州) ・長広(旧属琅邪/煙台市莱陽)

 

徐州

 5郡国、62県侯。州治は郯。
 初平三年(192)に琅邪・東海郡から城陽・利城・昌慮郡を分置。昌慮郡は建安十一年(206)に東海郡に併合。

■ 東海郡


 北部を琅邪郡に、南西部を下邳国に移管。  38県 → 13県、148.8千戸、706.4千人
 治所は(臨沂市郯城)。
 ・蘭陵(臨沂市蒼山) ・襄賁(臨沂市蒼山) ・合郷(棗荘市滕州) ・戚(棗荘市滕州南郊) ・承(棗荘市区)
 ・利成(臨沂市莒南) ・昌慮(棗荘市嶧城区) ・陰平(棗荘市嶧城区)
 ・朐(江蘇省連雲港市東海) ・祝基(連雲港市贛楡) ・厚丘(宿遷市沭陽) ・贛楡(旧属琅邪/連雲港市

■ 下邳国


 明帝の永平十五年(72)に臨淮郡を更名。南東部を広陵国に移管。  29県 → 17県、136.4千戸、611.1千人
 治所は下邳(旧属東海/徐州市睢寧県古邳鎮)。
 ・徐(旧の郡治/安徽省宿州市泗県) ・僮(安徽省宿州市泗県) ・睢陵・取慮(江蘇省徐州市睢寧)
 ・下相(宿遷市区) ・淮陵(宿遷市泗洪南界) ・淮陰(淮安市楚州区) ・淮浦(淮安市漣水) ・盱眙(淮安市)
 ・高山 ・播旌 ・東成
 ・夏丘(旧属沛/宿州市泗県) ・曲陽(旧属東海/徐州市新沂南郊) ・司吾(旧属東海/徐州市新沂南郊)

■ 琅邪郡


 南辺を残し、城陽国等を併せて南遷。  51県 → 13県、20.8千戸、571.0千人
 治所は開陽(旧の東海郡治/臨沂市区)。
 ・東武(旧の郡治/濰坊市諸城) ・姑幕・諸(諸城) ・琅邪(琅邪山下/青島市膠南) ・東莞(臨沂市沂水) ・西海
 ・莒(旧の城陽国/日照市) ・陽都・東安(旧属城陽/臨沂市沂水)
 ・臨沂(旧属東海/臨沂市区) ・即丘(旧属東海/臨沂市臨沭) ・潤i旧属東海/棗荘市区東郊)

■ 彭城国


 楚郡を章帝の章和二年(88)に更名。  7県 → 8県、86.2千戸、493.0千人
 治所は彭城(徐州市区)。
 ・梧(徐州市区) ・呂(徐州市銅山区北界) ・留(徐州市沛県)
 ・傅陽(山東省棗荘市嶧城区) ・武原(棗荘市区東南郊) ・甾丘(安徽省宿州市区) ・広戚(旧属沛/徐州市沛県)

■ 広陵国


 臨淮郡の南東部と北隣の泗水国を併合。  4県 → 11県、83.9千戸、410.2千人
 治所は広陵(揚州市江都区)。
 ・江都(揚州市邗江区) ・高郵(揚州市) ・平安(揚州市宝応) ・淩(旧の泗水国/宿遷市泗陽)
 ・東陽(旧属臨淮/安徽省滁州市天長北郊) ・射陽(旧属臨淮/揚州市宝応東郊) ・塩瀆(旧属臨淮/塩城市区)
 ・輿(旧属臨淮/揚州市区) ・堂邑(旧属臨淮/南京市六合区) ・海西(旧属東海/宿遷市沭陽)

 

楊州

 6郡国、92県侯。州治は歴陽。

■ 九江郡


  15県 → 14県、89.4千戸、432.4千人
 治所は陰陵(滁州市定遠)。
 ・歴陽(馬鞍山市和県) ・曲陽(淮南市区北界) ・成徳(淮南市区南界) ・当塗(後世の馬頭/蚌埠市懐遠)
 ・合肥(合肥市廬陽区) ・浚遒(合肥市肥東) ・寿春(旧の郡治/六安市寿県)
 ・鍾離(滁州市鳳陽) ・全椒・阜陵(滁州市全椒) ・平阿(旧属沛/淮南市潘集区)
 ・下蔡(旧属沛/故の蔡の末都。州来とも/淮南市鳳台) ・義成(旧属沛/蚌埠市懐遠)

■ 丹楊郡

 安徽省江南部。
 建安十三年(208)に孫権が南部の歙・黝を以て新都郡を分立。  17県 → 16県、136.5千戸、630.5千人
 治所は宛陵(安徽省宣城市区)。
 ・(宣城市) ・丹楊(馬鞍山市当塗) ・蕪湖(蕪湖市区) ・春穀(蕪湖市繁昌) ・陵陽(池州市青陽南界)
 ・石城(池州市区西端)  ・歙(都尉/安徽省黄山市) ・黝(黄山市黟県)
 ・秣陵(故の金陵。漢末に建業と更名/江蘇省南京市区) ・胡孰(南郊に牛渚/南京市江寧区) ・句容(鎮江市)
 ・於潜(杭州市臨安) ・江乗(句容北郊) ・溧陽(常州市溧陽) ・故鄣(浙江省湖州市安吉

■ 廬江郡


 建武十三年(37)に六安国を併合。  12県 → 14県、101.4千戸、424.7千人
 治所は舒(合肥市廬江)。
 ・居巣(合肥市巣湖) ・灊(南に天柱山/六安市霍山) ・皖(安慶市潜山) ・龍舒(六安市舒城)
 ・襄安(蕪湖市無為) ・臨湖(蕪湖市無為西界) ・尋陽(湖北省黄岡市黄梅) ・雩婁(河南省信陽市商城)
 ・六安(旧の六安国/安徽省六安市区) ・安風・陽泉(旧属六安/六安市霍邱)
 ・安豊・蓼(旧属六安/河南省信陽市固始)

■ 会稽郡


 順帝の永建四年(129)に呉郡が分立。  26県 → 14県、123.1千戸、481.2千人
 治所は山陰(南に会稽山/越の故都/浙江省紹興市越城区)。
 ・上虞(紹興市) ・諸曁(紹興市) ・剡(浙江省紹興市嵊州) ・余曁(浙江省杭州市蕭山区)
 ・大末(浙江省衢州市龍游) ・餘姚(寧波市) ・句章(寧波市江北区) ・鄮(寧波市区) ・鄞(寧波市北侖区)
 ・烏傷(金華市義烏) ・章安(旧の回浦/故の東甌/台州市区) ・永寧(章安より分立/浙江省温州市永嘉)
 ・東候官(旧の冶の西界/福建省福州市閩侯)

■ 呉郡


 順帝の永建四年(129)に会稽郡の北半を以て分離。  13県、164.2千戸、700.8千人
 治所は呉(旧の呉郡治/蘇州市区)。
 ・無錫(無錫市区) ・陽羨(無錫市宜興) ・婁(蘇州市崑山) ・毗陵(常州市区) ・丹徒(鎮江市京口区
 ・曲阿(鎮江市丹陽) ・海塩(浙江省嘉興市) ・由拳(檇李あり/嘉興市区) ・烏程(湖州市呉興区)
 ・銭唐(西部都尉/杭州市区) ・餘杭(杭州市餘杭区) ・富春(杭州市富陽)

■ 豫章郡


 漢末に孫策が南半を以て廬陵郡を、孫権が湖東地方を以て鄱陽郡を分立。
  18県 → 21県、406.5千戸、1,668.9千人
 治所は南昌(南昌市区)。
 ・柴桑(九江市九江) ・海昏(九江市永修) ・建昌(永元十六年(104)に海昏より分立/永修) ・艾(九江市修水)
 ・彭沢(九江市) ・歴陵(九江市徳安) ・鄱陽・鄡陽(上饒市鄱陽) ・餘汗(上饒市余干) ・臨汝(撫州市区
 ・南城(撫州市) ・宜春(宜春市区) ・新淦(宜春市樟樹) ・建成(宜春市高安) ・廬陵・石陽(吉安市吉安)
 ・平都(旧の安平/吉安市安福) ・贛(贛州市区) ・雩都(贛州市于都) ・南野(贛州市南康)
 ※ 中平年間に新呉・上蔡・永修県を、建安年間に豫章県を新設。

 

荊州

 7郡国、117県侯。州治は漢寿。

■ 武陵郡


  13県 → 12県、46.7千戸、250.9千人
 治所は臨沅(常徳市区)。
 ・漢寿(旧の郡治の索/常徳市) ・零陽(張家界市慈利) ・充(張家界市区) ・遷陵(湘西自治州保靖)
 ・酉陽(湘西自治州永順) ・辰陽(懐化市辰溪) ・鐔成(懐化市洪江) ・作唐 ・沅南 ・沅陵(懐化市)
 ・孱陵(湖北省荊州市公安)

■ 南陽郡


 王莽の前隊。  36県 → 37県、528.5千戸、2,439.6千人
 治所は宛(南陽市区)。
 ・育陽(小長安あり/南陽市宛城区南界) ・西鄂(南陽市区南界) ・博望・雉(南陽市南召) ・堵陽(南陽市方城)
 ・南郷(南陽市浙川南界) ・順陽(旧の博山/浙川南界) ・酈(南陽市内郷) ・涅陽・安衆(南陽市鎮平)
 ・湖陽・比陽(南陽市唐河) ・ケ・穣・冠軍(南陽市ケ州) ・朝陽(ケ州東郊) ・新野・棘陽(南陽市新野)
 ・平氏・復陽(南陽市桐柏) ・犨・魯陽(平頂山市魯山) ・葉(別称は方城/平頂山市) ・舞陰(駐馬店市泌陽)
 ・山都(湖北省襄陽市樊城区) ・蔡陽(襄陽市棗陽) ・章陵(旧の舂陵/棗陽) ・随(故の随国/随州市区)
 ・酇(襄陽市老河口) ・陰・筑陽(襄陽市谷城) ・武当(十堰市丹江口)・成都 ・襄郷
 ・析・丹水(旧属弘農/南陽市浙川)

■ 南郡


  18県 → 17県、162.6千戸、747.6千人
 治所は江陵(故の郢都/荊州市荊州区)。
 ・襄陽(襄陽市襄州区) ・中盧(襄陽市南漳東郊) ・宜城・鄀・邔(襄陽市宜城) ・編(荊門市区)
 ・華容(南に雲夢沢/荊州市監利) ・州陵(仙桃市) ・当陽・臨沮(宜昌市当陽)
 ・夷道(宜昌市猇亭区) ・夷陵(荊門・虎牙山あり/宜昌市区) ・秭帰(宜昌市区) ・枝江(故の羅/宜昌市)
 ・巫(西に白帝城/重慶市巫山) ・佷山(旧属武陵/湖北省宜昌市五峰)

■ 江夏郡

 鄂東地区。
  14県 → 14県、58.4千戸、265.5千人
 治所は西陵(黄岡市黄州区)。
 ・軑・西陽(河南省信陽市光山) ・鄳(信陽市羅山) ・平春(随州市広水) ・蘄春(黄岡市)
 ・邾(呉芮の都/黄岡市区) ・鄂(鄂州市鄂城区) ・沙羨(夏口城あり/武漢市江夏区金口) ・下雉(黄石市陽新)
 ・安陸(孝感市) ・雲杜(仙桃市) ・竟陵(天門市) ・南新市

■ 長沙国


  13県 → 13県、255.8千戸、1,059.4千人
 治所は臨湘(長沙市区)。
 ・下雋(湖北省咸寧市通城) ・羅(岳陽市汨羅) ・益陽(益陽市区) ・湘南(湘潭市区) ・連道(婁底市漣源)
 ・昭陵(邵陽市区) ・酃(衡陽市衡陽) ・醴陵(珠洲市) ・攸・容陵(珠洲市攸県) ・荼陵(珠洲市
 ・安成(江西省吉安市安福)

■ 零陵郡


  10県 → 13県、212.3千戸、1,001.6千人
 治所は泉陵(湖南省永州市零陵区)。
 ・湘郷(湘潭市) ・昭陽(邵陽市区) ・重安(旧の鍾武/衡陽市常寧) ・泠道(永州市寧遠) ・営道(寧遠)
 ・営浦(永州市道県) ・夫夷(邵陽市新寧) ・都梁(邵陽市武岡) ・始安(広西自治区桂林市区)
 ・零陵(旧の郡治/桂林市全州) ・洮陽(全州) ・烝陽(旧属長沙/旧の承陽/衡陽市祁東)

■ 桂陽郡


  11県 → 11県、135.0千戸、501.4千人
 治所は郴(郴州市区)。
 ・臨武(郴州市) ・便(郴州市永興) ・南平(永州市藍山) ・耒陽(衡陽市) ・漢寧
 ・桂陽(広東省清遠市連州) ・陰山(清遠市陽山) ・湞陽(清遠市永徳) ・含洭(永徳西郊) ・曲江(韶関市曲江区)

 

益州

 12郡国、118県侯。州治は雒。中平年間に緜竹、興平年間に成都。

■ 広漢郡


 安帝が北部都尉部を広漢属国として分離。
  13県 → 11県、139.9千戸、509.4千人
 治所は(徳陽市広漢)。
 ・梓潼(旧の郡治。漢末に劉備が為郡/綿陽市) ・涪(綿陽市区) ・葭萌(剣閣の口/広元市元壩区昭化古城
 ・白水(広元市元壩区白水鎮) ・緜竹(中平年間の州治/徳陽市綿竹) ・徳陽(徳陽市区?) ・広漢(徳陽市広漢)
 ・什方(徳陽市什邡) ・郪(綿陽市三台) ・新都(成都市区)

■ 広漢属国

 旧の広漢北部都尉。安帝が属国都尉部として分離。漢末に劉備が為郡。  3県、37.1千戸、205.6千人
 治所は陰平道(甘粛省隴南市文県)。  ・甸氐道(文県) ・剛氐道(四川省綿陽市平武)

■ 漢中郡


 漢末に東半が西城郡・上庸郡・房陵郡として分立
  12県 → 9県、57.3千戸、267.4千人
 治所は南鄭(漢中市)。
 ・襃中(漢中市勉県) ・沔陽(勉県) ・成固(漢中市城固) ・安陽(漢中市洋県)
 ・西城(旧の郡治/安康市区) ・錫(安康市白河) ・上庸(湖北省十堰市竹山) ・房陵(十堰市房県)

■ 巴郡


 漢末に劉璋が巴西郡・巴東郡・涪陵郡を分置
  11県 → 14県、310.7千戸、1,086.0千人
 治所は江州(重慶市巴南区)。 
 ・墊江(重慶市合川区) ・枳(重慶市涪陵区) ・平都(和帝が枳県より分置) ・臨江(重慶市忠県)
 ・安漢(南充市) ・閬中(南充市) ・充国(南充市区南界/漢末に南充国を分置)
 ・宕渠(達州市渠県) ・宣漢(和帝が宕渠の東部を分離) ・漢昌(和帝が宕渠の北部を分離)
 ・魚復(扞関あり/重慶市奉節) ・朐忍(重慶市雲陽) ・涪陵(重慶市彭水/霊帝が永寧を分置)

■ 蜀郡


 安帝が北部都尉部を置き、西部都尉部を蜀郡属国として分置。北部都尉部は霊帝が汶山郡として分離。
  15県 → 11県、300.4千戸、1350.5千人 
 治所は成都(成都市区)。
 ・繁(成都市新都区西界) ・臨邛(成都市邛崍) ・郫(成都市) ・広都(成都市双流) ・江源(成都市崇州)
 ・汶江道(北部都尉/阿壩自治州茂県) ・広柔(阿壩自治州汶川) ・湔氐道・蠶陵(阿壩自治州松潘)
 ・緜虒(阿壩自治州理県)

■ 蜀郡属国
  安帝が蜀郡西部都尉部を分離。  4県、111.6千戸、475.6千人
 治所は漢嘉(旧の青衣/雅安市区)  ・旄牛(雅安市漢源) ・厳道(雅安市滎経) ・徙(雅安市天全)

■ 犍為郡


 安帝が南部都尉を犍為属国とし、漢末に朱提郡とする。劉璋が建安十八年(213)に東部を江陽郡として分離。
  12県 → 9県、137.7千戸、411.4千人
 治所は武陽(彭亡聚あり/眉山市彭山)。
 ・資中(資陽市区) ・牛鞞(資陽市簡陽) ・南安(楽山市來江) ・僰道(旧の郡治/宜賓市宜賓)
 ・南広(宜賓市珙県) ・江陽(瀘州市区) ・符節(瀘州市合江) ・漢安

■ 犍為属国
  安帝の永初元年(107)に犍為南部都尉部を分立。  2県、7.9千戸、37.2千人
 ・朱提(雲南省昭通市区)  ・漢陽(旧の南部都尉/四川省宜賓市高県)

■ 越雟郡


  15県 → 14県、130.1千戸、623.4千人
 治所は邛都(涼山自治州西昌)。
 ・霊関道(雅安市蘆山) ・定笮(都尉/涼山自治州塩源) ・遂久(塩源) ・大笮・台登(涼山自治州冕寧)
 ・蘇示(涼山自治州西昌) ・会無・卑水(涼山自治州会理) ・三縫(旧の三降/会理)
 ・闡(旧の闌/涼山自治州越西) ・青蜻(雄楚自治州大姚) ・姑復(雲南省麗江市永勝) ・笮秦

■ 牂牁郡


  17県 → 16県、31.5千戸、267.2千人
 治所は故且蘭(黔南自治州福泉)。
 ・夜郎(遵義市桐梓) ・平夷(遵義市仁懐) ・鐔封(遵義市区?) ・鄨(遵義市区?) ・毋斂(黔南自治州独山方面)
 ・談指(黔西自治州晴隆) ・宛温(黔西自治州普安) ・漏臥(雲南省曲靖市羅平) ・談藁(曲靖市陸良方面)
 ・進乗(旧の進桑/玉渓市元江) ・西随(元江) ・同並(玉渓市澄江) ・漏江・句町(玉渓市通海)
 ・毋単(紅河自治州蒙自方面)

■ 益州郡


 明帝が西部都尉部を以て永昌郡を分置。  24県 → 17県、29.0千戸、110.8千人
 治所は滇池(昆明市晋寧)。
 ・昧(曲靖市) ・同労(曲靖市方面) ・銅瀬(曲靖市馬龍) ・牧靡(旧の収靡/曲靖市会沢方面)
 ・津高(曲靖市師宗方面) ・穀昌・健伶(昆明市区) ・昆沢(昆明市石林方面) ・雙柏(昆明市晋寧方面)
 ・秦臧(昆明市富民) ・連然(昆明市安寧) ・弄棟(楚雄自治州姚安) ・兪元(玉渓市澂江)
 ・賁古・毋棳(紅河自治州建水方面) ・勝休(紅河自治州箇旧方面)

■ 永昌郡


 明帝の永平十二年(69)に益州郡の西部都尉部を分離。  8県、231.9千戸、1,897.3千人
 治所は不韋(雲南省保山市区)
 ・雟唐(旧の西部都尉/大理自治州雲竜) ・雲南(大理自治州弥渡) ・比蘇(大理自治州雲龍)
 ・楪楡(旧の葉楡/大理自治州大理) ・邪龍(大理自治州巍山方面) ・哀牢(徳宏自治州瑞麗) ・博南

 

交趾部

 7郡、56県侯。建安八年(203)に交州と更名。治所は広信、漢末に番禺。

■ 蒼梧郡


  10県 → 11県、111.4千戸、467.0千人
 治所は広信(梧州市蒼梧)。
 ・臨賀(賀州市区) ・猛陵(梧州市区) ・富川・馮乗(賀州市富川) ・封陽(賀州市区東南郊) ・荔浦(桂林市)
 ・端渓(広東省肇慶市徳慶) ・高要(肇慶市) ・謝沐(湖南省郴州市宜章) ・鄣

■ 南海郡


  6県 → 7県、71.5千戸、250.3千人
 治所は番禺(広州市番禺区)。
 ・四会(肇慶市) ・博羅(恵州市) ・中宿(清遠市清新) ・龍川(河源市) ・掲陽(掲陽市区) ・増城

■ 鬱林郡


  12県 → 11県、不明(140年)
 治所は布山(貴港市区)。
 ・桂林(来賓市象州) ・中留(来賓市武宣) ・潭中(柳州市区) ・定周(河池市宜州) ・広鬱(貴港市区)
 ・阿林(貴港市桂平) ・領方(都尉/南寧市賓陽西郊) ・臨塵(南寧市邕寧区) ・安広(南寧市横県)
 ・増食(南寧市賓陽)

■ 合浦郡


 漢末に高涼郡を分置。  5県 → 5県、23.1千戸、86.6千人
 治所は合浦(広西自治区北海市)。
 ・徐聞(旧の治所/広東省湛江市雷州) ・高涼(陽江市陽東) ・臨元(旧の臨允/雲浮市新興)
 ・朱崖(旧の朱盧/海南省海口市瓊山区旧州鎮)

■ 交趾郡


  10県 → 12県、不明(140年)
 治所は龍編(ハノイ)。
 ・嬴𨻻(旧の郡治/ハノイ東郊) ・麊泠(都尉/ハノイ西北郊) ・朱鳶・苟屚(ハノイ西郊)
 ・安定 ・曲昜 ・北帯 ・稽徐 ・西于 ・封谿 ・望海

■ 九真郡


  7県 → 5県、46.5千戸、209.9千人
 治所は胥浦(タンホア)。  ・無功(都尉) ・居風(タンホア西北) ・無編 ・咸驩

■ 日南郡


  5県 → 5県、18.3千戸、100.7千人
 治所は西卷。  ・朱吾(旧の郡治) ・盧蓉 ・比景 ・象林(郡の最南)

△ 補注:東漢

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